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新住協長野支部研修会2日目 -建築家の日常-

Posted on 2025-07-21

研修会2日目は、建築と思想、そして公共空間のあり方について深く学ぶ一日です。

最初に訪れたのは、鈴木大拙館。
禅の思想を世界に広めた哲学者・鈴木大拙の精神を体感できるこの施設では、谷口吉生氏による建築がその哲学を静かに、そして力強く空間として表現していました。「思索空間」や「水鏡の庭」など、静寂・光・水面のゆらぎが織りなす環境が、訪れる者に深い内省を促します。建築が思想をどのように受け止め、かたちにするのかを実感する、印象深い体験となりました。

続いて向かったのは、石川県立図書館。
2022年に新たに開館したこの図書館は、県民に開かれた「知の広場」として機能し、これからの公共建築の方向性を示す好例です。吹き抜けの大空間、多様な学びのスタイルに対応する座席配置、カフェや学習室などの併設により、「居心地の良さ」と「公共性」の両立が高次元で実現されていました。

そして最後に訪れたのは、新住協会員である西川建築工房・西川さんのリノベーションプロジェクト。
間口の狭い長屋形式で、両側を隣家に囲まれた難しい条件の中、見事な断熱改修が施されていました。住まい手さんが語る、住まいへの想いの深さがとても印象的でした。高断熱・高気密工事の大切さをあらためて実感する貴重な機会となりました。

新住協・長野支部では、高断熱・高気密といった性能の追求と同時に、意匠性や設計の質にも重きを置いています。今回の視察は、そうした「かたち」と「こころ」の両面から建築を見つめ直す、大変意義ある学びの機会となりました。

その場所が持つポテンシャルを最大限に活かして、風景の中で建築が美しく存在し、
時を超えても愛されるあり方でありながら、室内は、日々の暮らしの中で
自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができることを理想としています。
そのため建築で使う材料は、時が経て味わいが増し、人の心を豊かにするような、
木や紙、土などの自然のものを使うこととしています。
また、この素材の魅力を最大限活かす職人の技術も大切にしています。
「アトリエ カムイ」とは、その場所が持つポテンシャルと建築をつくる素材や技術に
正面から向き合い、デザインしていくという意味を込めています。

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