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軽井沢の建築家の日々-ホテル小涌園

Posted on 2017-04-08

箱根にある大型ホテル「箱根ホテル小涌園」に先日行ってきました。このホテルは、1959年に軽井沢山荘や脇田山荘の設計で有名な建築家・吉村順三氏の設計でありますが、老朽化のため来年1月に閉館することが決まっております。閉館までに行けるかわからないことと、ちょうど子供の春休みの出かけ先に迷っていたため、急きょ思い立って1泊予約し、ゆっくりしてきました。

写真では感じられないスケール感やどこか住宅にいるような感覚さえある部屋で、到着するなり、実測を始めていました。スケッチブックを見かえすと、部屋のあらゆるところのスケッチが書いてありました。おそらく60年の年月の中で改修工事もされているので、オリジナルでない部分もあると思いますが、無心でスケッチさせる魅力的な空間だったのだと思いました。ロビーとラウンジは、1999年に別の設計者が改修されたようですが、ホテルの魅力を最大限引き出すようにできており、違和感を感じない素晴らしい空間でした。ちょうど雪も降り、外部からみた夜の景色も美しく、良い風景も見ることができました。
朝食は、和食処「紅葉」で、美味しい食事と美しい雪景色をゆっくり堪能していまい、最後に食事処を退出することになってしまいましたが、帰り際に「実はホテルより半年以上前ですが、この朝食で「紅葉」は営業を終了です。それなので最後のお客様だったんですよ」っと言われました。思いもよらない貴重な機会に、熱いものがこみあげてきました。
急きょ計画を立て、空いてる日が1日しかなく訪れた小涌園でしたが、春の雪景色、「紅葉」の最終営業など、生涯忘れられない心に刻まれる建築旅体験となりました。

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その場所が持つポテンシャルを最大限に活かして、風景の中で建築が美しく存在し、
時を超えても愛されるあり方でありながら、室内は、日々の暮らしの中で
自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができることを理想としています。
そのため建築で使う材料は、時が経て味わいが増し、人の心を豊かにするような、
木や紙、土などの自然のものを使うこととしています。
また、この素材の魅力を最大限活かす職人の技術も大切にしています。
「アトリエ カムイ」とは、その場所が持つポテンシャルと建築をつくる素材や技術に
正面から向き合い、デザインしていくという意味を込めています。

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