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建築探訪・建築展 -建築家の日常-

Posted on 2025-09-19

建築”について考え、また、広い視野としてのデザインを学びたく、いくつかの建築・展覧会に訪れてきました。それぞれの内容を少しレポートいたします。

- 諏訪大社上社本宮

長野県にある諏訪大社上社本宮を訪れました。入口の御門「布橋」には風鈴が飾られ、美しい音色が涼やかさを演出し、ひとつの場をつくり出していました。
木々に囲まれた社殿の佇まいは、時を超えて人々を惹きつける力を持ち、まさに「建築の原点」に触れたような体験でした。

- 北川原温展(キース・へリング美術館)

キース・へリング美術館で開催中の「北川原温展時間と空間の星座」へ。

北川原さんの言葉は、心に深く刺さります。

”「美しさ」は言葉で説明できず、直感的に右脳に働きかけてくる。文化や歴史、哲学や文学まで踏み込まないと面白い建築はできない。”

”木を生き物として扱う。それをあえて生命論的と言いたい。生命論的に発想してつくられる木造が本来の木造、つまり日本古来の木造だと考えている。”

”歴史を積み重ねてきた空間は「客観的に説明できない不思議な闇」を抱えていることが多い。”

学生時代は多くのことを考えながら課題に取り組んでいましたが、実務に入ると、建築の本質を見失いがちになります。北川原さんの言葉を読みながら、改めてその本質を見つめ直し、大きくうなずく自分がいました。

- デザイン「あ」展

わたしたちが日常で行う「すわる」「もつ」「なおす」などの行為をテーマにした展示でした。
デザインは、人と人、人とモノをつなぐものであり、その仕組みを体感できるものでした。

展示を通して、建築という領域にとどまらず、行為に着目することで新しいデザインの発想が広がる可能性を強く感じました。

- 藤本壮介展

東京の路地に「森の要素」を見出す藤本壮介さんの視点は、とても新鮮で驚きに満ちていました。森も路地も「ヒューマンスケール」であり、命が生まれ循環する場でもある。藤本さんは、この概念が未来の建築や社会のモデルとなると考えています。

数多くの実例展示を通じてその思想を学び、さらに未来を描いたインスタレーションでは、その考えをより深く体感することができました。建築の本質を改めて見つめる貴重な時間となりました。

建築やデザインの多様なあり方に触れることで、改めて「建築の本質」と「デザイン」について考える、貴重な時間となりました。これからも学びを重ねていきたいと思います。

 

その場所が持つポテンシャルを最大限に活かして、風景の中で建築が美しく存在し、
時を超えても愛されるあり方でありながら、室内は、日々の暮らしの中で
自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができることを理想としています。
そのため建築で使う材料は、時が経て味わいが増し、人の心を豊かにするような、
木や紙、土などの自然のものを使うこととしています。
また、この素材の魅力を最大限活かす職人の技術も大切にしています。
「アトリエ カムイ」とは、その場所が持つポテンシャルと建築をつくる素材や技術に
正面から向き合い、デザインしていくという意味を込めています。

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