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旧井上房一郎邸

Posted on 2018-02-12

先日、母校である箕郷中学校の同窓会に参加し、翌朝は、久しぶりに見たくて、開館と同時に「旧井上房一郎邸」へ足を運びました。高崎駅から歩いてすぐの場所にあり、故郷の近くですので、何度も見学に行っていたのですが、高崎美術館の展示施設になってからは行っていませんでした・・・さて何年ぶりでしょうか。

旧井上房一郎邸は、アントニン・レーモンドという建築家の自邸を本人の了承得て、同じものを高崎市に建築した建物です。オリジナルとは異なる箇所は、左右反転させ、寝室の隣に和室をつくるなど、風土に合わせ少しだけ改良しています。

アントニン・レーモンドの事を少しだけ紹介します。作品として有名なのが、高崎市内では、「高崎音楽センター」、軽井沢では「聖パウロ教会」、「夏の家」、日光では「旧イタリア大使館日光別邸」などの国内にたくさんの作品があります。旧帝国ホテルを設計されたフランク・ロイド・ライトの元所員で、旧帝国ホテルの設計施工助手として来日された、日本の今の建築に貢献された建築家です。

さて、旧井上邸ですが、駅近くに関わらず、美しい平屋の佇まいで、室内から静かに庭を楽しむ、そんな内部空間となっています。戦後直後の家ですので、素朴な材料でまとめられていますが、それがこの家の良さを引き出していると思います。エントランスが、管理上変わってしまったのですが、以前は、正門を入って、廊下越しの中庭テラスをフレームに、その先の庭を楽しみ、そして、リビングへ足を運んで庭をゆっくり楽しむ・・・という流れがあったのですが、この動線を最初に感じられなくなったので、個人的にはちょっとだけ残念・・・とは思いました。

これだけの住宅が素晴らしい状態で、たくさんの人に見ていただける状態になっているのは、実は高崎市民の力と思いがあります。高崎に来られた際には、是非ご覧いただければと思います。本当に貴重な建築です。
      

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その場所が持つポテンシャルを最大限に活かして、風景の中で建築が美しく存在し、
時を超えても愛されるあり方でありながら、室内は、日々の暮らしの中で
自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができることを理想としています。
そのため建築で使う材料は、時が経て味わいが増し、人の心を豊かにするような、
木や紙、土などの自然のものを使うこととしています。
また、この素材の魅力を最大限活かす職人の技術も大切にしています。
「アトリエ カムイ」とは、その場所が持つポテンシャルと建築をつくる素材や技術に
正面から向き合い、デザインしていくという意味を込めています。

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